時代の節目だからこそ、授業を見て語り合おう

全国算数授業研究会 会長 山本良和

 

本研究会が最も大事にしているコンセプトに、「実際に授業を見て語り合う」というものがあります。即ち、算数の授業で見られる教師や子どもの具体的な事実をもとに、忌憚のない意見を交わし合いながら授業改善を図っていくのが本研究会だということです。

 

また、本研究会は、学校現場で日々の算数授業に真摯に取り組んでいる教師によって主体的に営まれています。理論だけを語るのではなく、実際に授業という形で具現化できることを重んじます。だから授業をすることが大好きで、子どもと過ごす算数の時間をこよなく愛している「授業人」が集まっているのです。

 

ところで、本研究会の第1回大会は平成元年に行われました。その後、毎年夏休みに筑波大学附属小学校を会場に全国大会を開催しており、まさに平成の時代とともに歩んできたわけです。さらに、1998年からは東京での大会に加えて、各地域が主催する冬の全国大会も開催されるようになりました。本研究会の考えに共感してくださる仲間が確実に全国に増えています。それは、流行に流されず、かと言って形式に捉われるのでもなく、明日の算数授業づくりにとって本当に大切にすべきことは何かを常に子どもたちの目線に立って真剣に問い続けてきたからだと思われます。事実、参会者から本研究会の魅力として授業及び授業後の協議会があげられます。歯に衣着せぬ刺激的な協議会が面白いと言われます。それは討議しているメンバー同士が「授業人」なので、一方が評論家になるということがないからです。協議会では常に対等な立場で代案を示し合うことを約束とし、建設的な話し合いにすることを大切にしてきました。

 

新学習指導要領の実施を1年後に控え、平成の時代から令和の時代へと変わろうとしている今、我々は改めて発足当時から大切してきた本研究会の精神を意識して研究を進めていかなければならないと感じています。

 

また、本会の考えは多数の書籍によっても発信してきました。東洋館出版社様に協力を仰ぎ、現場サイドから役に立つ実践論文の書き方を提案したり、形骸化しつつある問題解決学習のあり方に一石を投じたりと、日本の算数授業改革に果たしてきた役割は大きいと自負しています。 これからも本研究会としての考えを発信し続けたいと思います。

 

さあ、全国の算数授業を愛してやまない先生方、時代の節目である今、ぜひ本会に興味を持っていただき全国大会や地方大会などにご参加ください。そして、共に授業について語り合おうではありませんか。全国算数授業研究会は、志のある新しい算数授業人の登場を待っています。